AMDの可変フレームレート同期技術である『FreeSync』がモニター業界標準搭載になりつつあるので、いよいよグラフィックスボード界の雄であるNVIDIAも見過ごせなくなったのか『G-SYNC Compatible Monitor』として『FreeSync』に互換対応を始めました。

『G-SYNC Compatible Monitor』とは?
NVIDIAは独自に『G-SYNC』なる、可変フレームレート同期技術を持っており『G-SYNC』対応モニターに専用のチップを搭載することでフレームレート同期を可能にしているのですが、チップのライセンス料が高いせいなのか、なにしろG-SYNCモニターは値段が高い。
しかし、『FreeSync』は『DisplayPort Adaptive‐Sync』としてモニター標準搭載の技術なのでライセンスフリーで使えるため、モニターの価格を抑える事が可能になります。
G-SYNC対応モニターがあまり多くないのに対して、FreeSync対応モニターはゲーミングモニターのほぼ全てに搭載(標準搭載なので当たり前であるが)されているので、NVIDIAも看過できなくなってきたのだと思います。
そんなわけでNVIDIAが『G-SYNC』で『FreeSync』に対応したモニターを『G-SYNC Compatible Monitor』として認定し始めたわけです。
『G-SYNC Compatible Monitor』って表現が、『FreeSync』に与さないプライドの高さを感じますが、いちユーザーとしては可変フレームレート同期技術が使えるモニターの選択肢が増える事は喜ばしい事なので、どんどん検証して欲しいです。
『G-SYNC』での『FreeSync』互換は簡単
現状での『G-SYNC Compatible Monitor』はかなり少ないので、検証済みモニター以外では自分自身で検証してみる必要があります。
『G-SYNC』での『FreeSync』対応には特に必要なものは無く、NVIDIAグラフィックスボードのドライバのアップデートだけで可能になります。
用意するもの
- G-SYNC対応のグラフィックスボード
- DisplayPortケーブル
- 最新のGEFORCE GAME READYドライバ
FreeSyncもG-SYNCも、PCとモニターを繋ぐケーブルはDisplayPortケーブルじゃないと機能しないので、HDMI接続している場合はDisplayPortケーブルを用意して下さい。
グラフィックスボードのドライバーは最新の物にアップデートしておきましょう。
LGウルトラワイドモニターでFreeSyncのG-SYNC互換は成功?
今回の実験に使ったモニターはLG製の34型ウルトラワイドモニター 34UC88-Bになります。解像度3400×1440になります。
このモニターはFreeSync対応で、通常のリフレッシュレートは60Hzですが、FreeSync動作時には75Hzまで上がります。
なので、今回の検証実験では異常な動作なく75Hzで駆動して、肉眼でティアリングが確認できない状態なら勝手に『G-SYNC Compatible』対応モニターって事にします。あくまでも勝手にですよ。
接続をDisplayPortに変更する

まず最初にHDMI接続からDisplayPort接続に変更します。
手持ちのDisplayPortケーブルが無かったので、Amazonで安いDisplayPort1.2準拠のケーブルを購入しました。1.2準拠なら4Kモニターで75Hz駆動を保証しているので、4K未満のウルトラワイドモニターなら問題なく使えるはずです。
2mで1,000円以下と格安でしたが、編み込みケーブルでカッコいいです。
接続はHDMIを外して付け替えるだけです。たぶん両方差し込んでモニター側で選択しても問題無いと思います。
DisplayPort接続だけで確認

ケーブルを差し替えたらモニター側の入力をDisplayPortに切り替えます。
これをしないと画面真っ暗で、あれ認識しないぞ?ケーブル不良かって勘違いする事になります。

次にデスクトップで右クリックして『NVIDIA コントロールパネル』をクリックします。
『解像度の変更』を選択して現在のモニターの設定を見てみます。

DisplayPortで接続していますが、リフレッシュレートは最高60Hzのままです。
DisplayPort接続しただけでは、ネイティブでリフレッシュレート75Hzは出ないようです。
G-SYNCの設定する
やはりFreeSyncの設定をしないとオーバードライブしないようなので『G-SYNC』の設定をしていきます。

最初にモニター側のゲーム機能設定で『FreeSync』をオンにします。
これをしないと認識されないので、必ず最初に設定しておきます。
次に『NVIDIA コントロールパネル』を開き『G-SYNCの設定』を選択。

変更するディスプレイでLGモニターを選びます。

するとディスプレイのアイコンがG-SYNCに切り替わります。
しかし、下には『選択したディスプレイはG-SYNCとの互換性があると検証されてません。』と表示されましたが、気にせずに続けます。

もう一度『解像度の変更』を開いてチェックしてみると、リフレッシュレートに75Hzが表示されました。
75Hzが選択できたので、このモニターにおけるFreeSyncのG-SYNC互換は半分成功したと思われます。

念のためにWindows10でのディスプレイの設定からディスプレイの詳細設定で確認しても、しっかりリフレッシュレート75Hzと表示されています。
後は、可変フレームレートでのシンクロ動作を確認できれば検証完了です。
概ね成功!!!!だと思う
って事で、いくつかゲームをして確認してみます。
出来ればグラフィックが重いゲームで確認した方がティアリングに関しては分かりやすいので…
Ghost Recon Wildlands

このゲームは最高画質グラフィックにするとかなり重くなるゲームなので、チェックには最適なはず。
画質をウルトラに設定して遊んでみると、フレームレートが出ないのでカクカクした感じになりますが…
おお、ティアリングが出ない!!!!!
画面をグルングルン回しても、ビラビラって横方向に出るティアリングが無い!!!!
うん、これは成功です。
ディビジョン2

気を良くしたので最近ハマっている『ディビジョン2』も遊んでみます。
ゴーストリコンほど重くないのですが、最高画質で遊んでます。
フレームレートは90FPSほど出ていますが、実際の最高値は75Hzになります。
マウスをグリングリン回して移動してみますが、ティアリングは無いような気がします。
表示FPSが75Hzを超えているのが気になりますが、たぶん成功しているんだと思います。
FF14

FF14も遊んでみます。
FF14は細かなディスプレイ設定画質設定できるので、一番重くなる感じ設定しました。
最初は画面がチカチカしたりして、これはダメかな?ってなったんですが、少しすると安定してきました。
結局はFF14も問題なくティアリングに気づかないレベルでのプレイが可能だったので、おそらく可変フレームレート同期しているんじゃないかと思います。
検証まとめ
NVIDIA公式では検証されてないので『LG 34型ウルトラワイドモニター 34UC88-B』は『G-SYNC Compatible Monitor』認定ではないのですが、独自検証結果としてはFreeSyncにG-SYNC互換対応していると思います。
ただ、微妙に動作が怪しい部分もあったので、100%安定しているとは言い切れないのが事実ですが、このモニターではリフレッシュレートネイティブ60Hzが75Hzまでオーバードライブできるのはゲームをする上ではメリットが多いと思います。
FreeSync対応モニターでNVIDIAのグラフィックスボードを使ってる方は、試してみる価値はかなりあると思うのでぜひチェックして見てください。
上手くいけば快適なゲーム環境が無料で手に入ります。
コメント