あまり人に話したくないくらいの情けない話ですが、誰かの役に立てばと思い記事にします。
ロードバイクで立ちゴケに近い速度で落車し、救急車で搬送。レントゲン撮影、診断の結果、大腿骨転子部骨折との診断。
その場で入院が決まり、あまりの不安とやることのなさで、病室で大腿骨骨折のネット情報を検索しまくり、これから訪れるであろう入院生活、手術やそれに対する痛み、リハビリの方法や期間などを調べまくりました。
しかし、検索でヒットする情報は、病院系がほとんどで、それも高齢者の事例が大半です。いくつかロードバイクでの大腿骨骨折での入院日記みたいなブログがありますが、意外と結構あっさりしてて本当に知りたい情報が書かれていないことがほとんどでした。
そこで、もう少し具体的な内容を多くして、大腿骨骨折で病室で不安を抱えている方への励ましと言うか、こんな感じでよくなっていくよ、手術はこんな感じだよ、痛みはこんな感じだよって、前知識として手術に対する不安や術後に対する不安、入院中の不便なことなど、色々と事前に対策ができるんじゃないかと思います。
※ちなみに僕は医療従事者でもないので、一個人の大腿骨転子部骨折体験記として書いているのであしからず。
ロードバイクで落車直後 入院当日
栃木県某所で開催された大規模サイクリングイベントに参加するべく、早朝集合場所に向かっていました。
前日は雨が降ったり止んだりで路面は濡れているところと乾いてるところがありました。
落車した箇所は、ゆるい右コーナーで注意喚起のためのスタッフが滑りやすいので速度落としてくださいと声かけをしていました。
そのためかなり減速してジョギング程度の速度でゆっくりと進入したのですが、フロントタイヤがツーっと外に流れリカバリーのアクションを取ることもなく落車転倒。
正直フロントタイヤが外に流れた瞬間は「えっ、なんで?」って感じで、次の瞬間には腰からボテっと着地していました。
速度は全く出てなかったので転がるとかそういうことはなく、後続車両もいるし、やばい早く立たなくてはと思い、体を起こして立ち上がろうとしたところ右太もも付け根部分に激しい痛みを感じました。
転倒の衝撃でビンディングペダルは外れており、自分と自転車は離れた状態で転んでいました。
今まで何度か骨折の経験をしていたので、動ける痛みと、動かせない痛みの区別がつくというかそんな感じだったので、数分うずくまっても回復しないのでこれはおそらく骨が折れているか、それに近いダメージを負っていると判断しました。
その間に転倒に気づいたサイクリングクラブのメンバーが数名集まり、イベントスタッフも集まってくれました。
救急車を要請です。
救急搬送
どのくらいの時間が経過したか分かりませんが、救急車が到着しました。人生2度目の救急車です。
ストレッチャーを移動させながら救急隊員が近づいてきます。動けるかどうかとか色々と聞かれたと思いますが、ほとんど覚えていません。
ストレッチャーに移動することになるのですが、膝を抱えた体育座りから姿勢を変えることができないので、そのままの状態で救急隊員に持ち上げてもらいストレッチャーに移乗しました。もちろん移乗する時は激痛です。
救急車の中では名前や住所、どの部分が痛いかどのくらい痛いのかその他いろいろ聞かれたと思います。自分自身としては太ももの付け根が激痛なだけで意識ははっきりしているので、スマホで嫁に連絡をしました。
救急車の中では落車した時にぶつけた膝と肘の擦過傷の治療をしました。治療と言っても、消毒して大きめのガーゼを当てるくらいです。
救急で運ばれた病院は、この辺りではかなり大きい大学附属病院です。
残念なことに外科、整形外科の医者は出勤しておらず内科医の診察になります。
とりあえずお約束のレントゲン撮影です。この辺りの記憶はちょっと曖昧ですが、ストレッチャーからレントゲン撮影台に移動する時は持ち上げてもらわず、大きな渡し板を敷いてもらいその上をズリズリと移動しました。帰りも同じです。それなりに痛みは感じますが、そこまで激痛ではありませんでした。
レントゲンの結果を待つ間に、救急車で治療してもらった膝と肘をもう一度丁寧に消毒してもらいました。
肝心のレントゲンの結果は大腿骨転子部骨折でした。
どうにもならないのでその場で入院決定です。
レーサーパンツとジャージは、看護師のアシストでその場で何とか脱ぎ、入院用のペラペラの入院着に着替えました。パンツはトレーニングパンツ…おむつです。
この頃には体育座りから、完全に横たわっており、ここから一週間は病院の天井と病室の仕切りカーテンしか見えない生活になります。
入院用の大きなベッドごと病室に移動して、ここから長い入院生活になりました。
嫁到着と痛みと手術日
4人部屋の病室に移動すると看護師が入院の手続きを説明をしました。
自宅から遠い場所での入院ということもあって、病院着やタオルなどは全てレンタルすることにします。一通りの説明が終わり、ほっとしたというか一息ついたので、看護師さんにペットボトルの水を買ってきてもらいました。
ここから1週間ほどは寝たきりで、全く移動の術がないので、全て看護師頼みになります。
午前中に入院したので、お昼ご飯は普通に出たのですが、全く食欲がなくほとんど残しました。
午後になると嫁と次男が遠いところ病院まで来てくれました。労いとつまらない事故で迷惑かけてしまったと謝罪。
入院関係の書類は嫁に全て代筆してもらい、すぐに必要なものとしてスマホの充電器を買ってきてもらいました。
入院手続きも終わりあとやることは会社関係の連絡。
骨折箇所の痛みと状態
折れてしまった大腿骨周辺では内出血がひどく、足がパンパンに膨らんできました。
今までの経験上、骨折自体の痛みも相当あるのですが、内出血で患部周辺がパンパンに腫れる方が痛みが1.5倍ぐらい酷い気がします。
やはり痛みは、今までのいくつかの骨折の中でも最悪に酷いので、痛み止めを処方してもらいました。どうしても胃の負担が少ないカロナールがメインで、ロキソニンはあまり処方してはもらえませんでした。個人的にはカロナールよりもロキソニンの方が痛みが治まるような気がします。
治まると言っても、10の痛みが5になるとかそんなことはなく、10のズキズキした痛みが9の少し丸みを帯びたトゲが少なくなったような痛みになる感じです。
正直その程度でもかなり痛みが和らいだような気がします。
アイスノンは看護師に言えば用意してもらえるので、患部をひたすら冷やし続けました。
それと大腿骨を骨折すると足はつま先を外側に開く感じで、太ももの付け根から外側に広がる特徴的な外転をするみたいです。実際に手術でγ(ガンマ)ネイルで整復固定するまではずっとその状態でした。
ちなみにこの外転した状態が一番痛みを感じない体勢だったりしました。
手術日について
個人的には次の日に手術が行われるものだと思っていましたが、実際は手術室の予定、麻酔科医、執刀医などの予定もあり、入院してから4日後に行われることになりました。
なので入院から4日はひたすら待機の時間になってしまいました。
待機時間は痛いのが続くだけだし、その間に筋力は落ちていくし、リハビリ開始も遅くなると良い事は全くないので、出来るのならば手術は早ければ早い方が良いと思います。
寝返りが出来ないのは地獄…夕食後は長い夜
お見舞いに来ていた嫁と子供が帰ると、いよいよやる事が無くなりました。
が、寝返りが全くできないので、仰向けでジーっとしていると骨折箇所が痛み始めます。なので、リクライニングベッドの背もたれを起こしたりして、なるべく痛みが少なくなるポジションを探します。
このリクライニングベッドの背もたれを起こしたポジションは、手術が終わって1週間ほどしても使っていました。
18時には夕食が配膳され、これが終わると長い長い夜が始まります。夕食は半分ほど食べたと思います。
看護師は定期的に検温、血圧測定をしに訪れます。
この頃には多少気持ちに余裕が現れ始め、スマホを使って大腿骨転子部骨折についての情報を調べ始めました。
結果的にはさんざん調べたおかげで、担当医との手術についての会話、打ち合わせもスムーズに進み大変有意義な行いだったと思います。
大腿骨転子部骨折 2日目 オムツにうんちできますか?
落車転倒した朝から、入院した夜までは場面が目まぐるしく変わり、全て初体験ということもありあっという間に時間が過ぎました。
見舞いに来ていた嫁と子供が帰ると、いよいよやることがなくスマホで大腿骨転子部骨折の情報を大量に集めたり。
看護師は決まった時間に検温、血圧測定に訪れます。
18時前には夕食が配膳され、終わると長い夜です。気が付くと、トイレを何もしていません…
※個人の大腿骨転子部骨折とリハビリ体験記なので、個人差があるのであしからず。
気になるうんち・おしっこトイレ問題
入院して気になるのはやはりトイレの問題だと思います。
別に腕の骨折とか、鎖骨とか、上半身の骨折であればベッドで寝たきりということはないと思うので、歩いてトイレに行けば問題ないと思いますが、大腿骨の骨折となると歩くどころか寝返りすら困難になるので、うんちおしっこなどのトイレはベッド上ですることになります。
おしっこはし尿瓶へ
おしっこは、男性ならば性器の形からし尿瓶の先端に差し込めば簡単に排泄できます。女性はよく分りませんが男性よりも大変だと想像は出来ます。
色々と想像をかき立てるセンシティブな画像ですが、全く動けないのでこんな感じでおしっこの処理はしました。
当時4人部屋には寝たきりの人が自分の他に2人ほどいたので、し尿瓶におしっこをする音はジョボジョボとよく聞こえていました。
小さなオマル
問題はうんちです。
そこで、看護師に相談しました。
「恥ずかしながらうんちはどうやってすれば良いでしょうか」
看護師は2つの選択肢を与えてくれました。
「自力でトイレに行けないので、お尻に差し込む小さなオマルを使うか、オムツにそのまましてください」
とのことでした。
おむつにうんちをするのはさすがに抵抗があったので、お尻に差し込む小さなオマルをお願いしました。看護師の話だと、お尻差し込みの小さなオマルは若者に大人気のようです。
写真のような薄っぺらい容器といった形で、これをお尻に差し込んでうんちをするらしいのですが…お尻に差し込もうとしたところ、右足太ももの骨折箇所に激痛が走り全く差し込めません。
生きている左足で頑張って腰を上げたりして、どうにか差し込もうと努力をしましたが、やはり痛くて痛くて無理でした。
もし、何とか差し込んで、うんちができたとしても、自力でお尻を拭くことはままならないと感じます。下手するとうんちをあちこちに撒き散らす大惨事になるかもしれません。
そんな理由で、この薄っぺらいオマルは泣く泣く諦めて、看護師さんにおむつを頼みました。
大人用オムツ
入院当初に入っていたトレーニングパンツはうんちには適さないため、大人用おむつに履き替えです。
まあ自分では何もできないので看護師に全て丸投げでお任せです。
オギャバブ状態で、正常な大人なら非常に恥ずかしい体験だとは思いますがそんな事は言ってられません。死活問題です。
看護師たちは慣れたもので淡々と交換してくれました。
入院した病院では、大人用オムツの中に、さらにうんちおしっこキャッチ用の厚めのおむつを入れて、2重の体制でした。
あとは無事にオムツにうんちをするだけです。
通過儀礼としてのオムツうんち
オムツうんちになれるためには、なるべく早めに排泄することです。
うんちがカチカチになると便秘になり悪循環になると思ったので、なるべく水分を多く取りました。食欲もあまりなかったのですが、うんちの元を作るために頑張って食べます。
頑張って飲み食べた結果、入院2日目の夜には無事に便意が生じました。が、寝たきりの体勢でうんちをするという行為を今までしたことがなかったので、いきみやすい踏ん張りやすい体勢を探します。
結果としては、生きている左足で腰を半分あげ、あとは可能な限り踏ん張る。
この方法で無事うんちの排泄はできたのですが、ついでにおしっこも大量に出てしまい、しかもポジションが良くなかったせいか、おへそ方向に排尿してしまいお腹周りがおしっこでびちょびちょになってしまうという惨事を招いてしまいました。
ナースコールで看護師さんを呼び、おむつ交換をしてもらいます。この時どうしても、横方向を向かなくてはならないので、足の痛みは我慢です。真面目に痛いです。
この教訓から、オムツうんちをする前におしっこをできるだけ出しておくことを学びました。
一度うんちを出してしまうと、羞恥心とかなんかそういったリミットが外れてしまったのか1日3回ぐらいプリプリとうんちを出せるようになりました。
ぶっちゃけうんち出さないと大変なことになってしまうので、足の骨を折って寝たきりで入院したらとっととオムツにうんちしてしまうことをおすすめします。
何回か繰り返すとインナーオムツを良いポジションに持ってくる方法が分かり、看護師さんに褒められるくらいにはうんちの処理が格段に楽になりました。
歯磨きはどうするの?
もちろん寝たきりでも歯は磨きます。
寝たきりと言っても体は起こせるので、ベッドのリクライニング機能を使って体を起こしベッド上で歯を磨きます。
口にたまった泡や、ぶくぶくぺ~は看護師さんが小さな飯盒型のバケツを渡してくれるのでそれに吐き出して、テーブルに置いておきます。
CT撮影もした
うんちおしっこ問題だけに腐心してたわけではなく、手術に向けての詳細な画像データ、CT撮影も行いました。
どうやって放射線科まで移動するのかと思ったら、病室のベッドに寝たままCT撮影室まで看護師さんに移動させてもらいました。
エレベーターに乗り、結構移動したのでかなり大きな病院であるのを理解しました。
もちろん寝たきりなので天井しか見えません。移動中コーヒーの香りが漂っており、看護師さんに聞くとコーヒールンバでおなじみのレギュラーコーヒーの自動販売機があるとの事です。
コーヒーは好きなので、手術して移動出来るようになったら飲みに行こうと心に誓いました。
CT撮影は撮影台に移動するのはやはり大変で、移動用の薄い板を敷いてもらいお尻からズリズリと移動。動かせない右脚は手で持ち上げて移動させます。
撮影自体は10分も掛からず、サクッと終了。
ちょっとした移動でしたが気分転換になりました。
長いので3日目に続きます。
コメント
こんにちは。
半年以上ぶりにブログの RSS リーダーを起動してみたら、久しぶりにコシタツさんのブログが更新されていたので読みました。この度は本当に大変でしたね。早く快方に向かいますよう大事になさってください。
こんにちは、お久しぶりです。
かなり注意しての転倒だったので、不運と思う事にしています。なかなかリハビリは大変ですが、年齢もあるのでゆっくりじっくり治していく予定です。
ある程度日常生活が送れるまでの経過を記事にしていくつもりです。