HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影していますか?
コシタツは超広角レンズを手に入れて、風景写真や建物などの構造物を撮影するようになってから使う機会がふえました。
しかし、今までHDR(ハイダイナミックレンジ)について調べもせずに、設定から適当に選んで撮影していたのですが、この方法だとなんだかおかしな写真が多く撮れる事に気付き、そこで設定別に撮影して比較してみる事にしました。
HDR(ハイダイナミックレンジ)って何?
最近ですとハイダイナミックレンジ対応4K動画など、スチールカメラ以外でも耳にする機会が多くなりましたが、ここではまずデジタル一眼カメラでのハイダイナミックレンジについて簡単に説明します。
ハイダイナミックレンジとは?
人間の目って、自分自身が思っているよりもかなり高性能でして、極端に暗いところや明るい場所では見えにくいんですが、暗い場所と明るい場所が混在しているような明暗差がはっきりしている場所では意外と両方ともしっかり見えるんです。
しかし、デジタルカメラでの撮影では明暗差が大きくハッキリしている場所では、明るい方に露出を合わせると影は真っ黒につぶれ、影に露出を合わせると明るい部分は真っ白に飛んじゃったりします。
これはデジタル一眼カメラの露出の性質上どうにもならないのですが、それを上手に人間の目で見た感じに再現してくれる技術がHDR(ハイダイナミックレンジ)なんです。
HDRは数枚撮影して1枚に合成する技術
通常のデジタル一眼カメラでの撮影では、もっとも撮りたい被写体に合わせて適正露出にし1枚撮影しますが、ハイダイナミックレンジ撮影では露出の異なった撮影を複数枚行い、最後に写真を合成して1枚の写真に仕上げます。
合成方法はカメラメーカー独自のアルゴリズムで行われ、HDRの効果の強弱も選択できます。
※HDR撮影時は3脚を使った方が失敗が少ないです。っていうか、必ず使いましょう(笑)
HDR(ハイダイナミックレンジ)写真比較
ザックリとHDR撮影について分かったので、実際にHDRで撮影した写真を強さ別に比較してみます。
撮影に使った機材は、
- Nikon D5600
- Nikon AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR
- K&F KF-TM2324 3脚
になります。
撮影方法はカメラを3脚に固定して同じ構図でHDR設定を【HIGH+】【HIGH】【NORM】【LOW】と強さを変化させて撮影しています。
1枚だけの写真は比較用で、実際の撮影でよく使われるプログラムオートでカメラ任せの露出で撮影しています。
それでは開始。クリックすると大きくなります。
HDR無し
プログラムオートでの撮影になります。
ダイナミックレンジの大きい場所を選んだら日本庭園の竹林になりました。
肉眼では日陰部分も割とはっきり確認できるんですが、写真になると黒く潰れてしまいます。
HDR【HIGH+】かなり強い
HDR【HIGH+】での撮影です。
【HIGH+】での撮影はHDR合成が強くかかるので、シチュエーションによってはかなり不自然な仕上がりになります。
この写真では、竹林の陰になるべき場所が日の当たっている上部よりも明るい反転現象が確認できます。
HDR【HIGH】強い
HDR【HIGH】での撮影です。
【HIGH+】よりは自然な仕上がりに感じます。
比較しなければこれはこれで見やすい写真にかんじます。
HDR【NORM】標準
HDR【NORM】での撮影です。
さすがにノーマルだとごく自然な写りに感じます。ただし、肉眼よりは暗く感じます。
これは僕の目視での判断になるので、若者、老眼ではもちろん違うし、視力によっても見え方は違います。僕も右目と左目では色味が若干違く見えます。
HDRオートで撮影すると大体このノーマルな仕上がりになるような気がします。
HDR【LOW】弱い
HDR【LOW】での撮影です。
【LOW】はかなりHDRの効果が弱いので本当に効いてるのかどうかが確認しづらいですね。
個人的にはわざわざHDR【LOW】で撮影はしないかな?ってところです。
HDR(ハイダイナミックレンジ)4枚をまとめてみる
比較用の為、ファイルサイズが大きめです。
左上から右に向かって【HIGH+】【HIGH】、一段下がって左から右に【NORM】【LOW】になります。
HDR強度の違いで写真の写り方が全然違うのが確認できます。
まあ、写真撮影は撮影者の思いが反映されるので、どのHDRが正解ってのは無いんですが、一覧にすると好みの傾向は分かると思います。
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影の注意点
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影は2枚以上の写真を合成する技術なので、カメラブレ、被写体ブレがあると仕上がりに大きく影響します。
被写体ブレの例
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影は2枚以上の写真を合成する技術なので、カメラブレ、被写体ブレがあると仕上がりに大きく影響します。
上記の写真の赤丸は被写体ブレしているHDR撮影になります。
風が強めに吹いていたので、1枚目の撮影と2枚目の撮影で紅葉の位置がずれてしまい影絵のようになってしまいました。
ハロー現象
HDR(ハイダイナミックレンジ)合成を強くかけるとハローと呼ばれる特徴的な仕上がりになります。
このハローこそが、僕が多く撮影していたおかしな写真の正体です…
建物や植物周辺の青空にオーラが出ているようにコンストラストの違いがみられます。ハローは明暗差の大きな部分の周辺に出ます。
これはこれで面白い写真なんですが、CGっぽさや合成感丸出しになるので、解決したい時はHDR強度を下げて撮影すれば解決できます。
HDR撮影強度別比較
比較用にHDR(ハイダイナミックレンジ)を変えながら撮影し、4枚まとめて1枚にしたので参考にして下さい。余計なコメントは入れてないです。
1枚目は通常の撮影になります。
クリックすると大きくなるので、参考にして下さい。
HDR作例1
写真右側が暗い感じがするのでHDR撮影してみます。
HDR作例2
コントラストの差が大きい場所だと効果抜群な気がしますが、やりすぎると雰囲気が変わっちゃいますね。
HDR作例3
HDR撮影する必要がないくらいに光がしっかりあたってますがあえてHDR撮影すると…
HDR作例4
わざと紅葉が影になるように撮影してみました。
雑感(まとめにならない)
比較して分かったことはHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影は無理して使わなくても良いって事ですかね。
強くかけると不自然になるし、弱ければ効果がイマイチな感じがします。
それと順光で光がまんべんなく被写体にあたっていれば使う必要はほとんどなさそうです。
逆光気味だったり、露出がどうしても明るい方向にもっていかれそうな場合などに使うとよいのかもしれません。
HDR撮影してみて思ったのが影ってかなり重要な要素なのかもしれないって事です。特に写真の勉強的な事をしたことはありませんが、影は影であった方が写真のメリハリがあるような気がします。
センスがイマイチだし、構図がよく分からない風景写真は暗中模索状態ですので、新しい発見があり次第更新したいと思います。
物撮りが分かりやすくて好きです…
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