カメラカタログなんかを眺めていると『高感度特性がアップして暗闇でもノイズが少ない撮影ができる』なんて言葉を目にする機会が多いと思います。
しかもISO感度25600やら51200などと大きな数値が並ぶので、カメラ素人はなんだかよく分からないけどスゴイッ!!!って思っちゃいます。
そこで、カメラ低級者がカメラ素人にも分かりやすいように写真でISO感度比較をしてみました。
ISO感度を変えるとどうなるの?
ISO感度のもともとの始まりは写真フィルム用に、アメリカやドイツなどがその国の工業規格で独自に運用していたんですが、ある時からISO(国際標準化機構)によって統一規格にまとめられたので、ISO感度と呼ばれるようになったらしいです。
ISO感度を上げるって事はどういう事?
簡単に分かりやすく説明すると、ISO感度を上げるって事は弱い電気信号(この場合は光量)を無理やりブースト(増幅)して大きな電気信号にしてあげるって事です。
しかし、ブーストすると細かなノイズまでブーストしてしまうので、写真の質は低下してしまいます。
テレビ番組などで、真夜中の動物を暗視カメラで撮影した映像を思い浮かべると分かりやすいと思います。ザラザラ・チラチラしていますよね。
では、もっと分かりやすいように実際に撮影して比較していきます。
ISO感度比較
撮影条件を一定にしてISO感度のみを変化させた作例です。撮影条件は、
- カメラ ニコン D5300
- レンズ AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II
- 絞り優先AE(f/5.6)
- ディレイシャッター
- 三脚使用
変化量が分かりやすいように、ISO感度を2倍に変化させて撮影しています。2枚目はノイズが分かりやすいようにトリミングした拡大写真も載せてみました。
ISO100
オーブンの中には猫の形をしたお餅が入ってます。
これに注目しながらスクロールしてください。
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200
この辺りから若干ノイズが目立つようになってきました。
個人的にはISO3200がノイジーな写真とのボーダーラインだと思います。ただし、カメラの性能、フルサイズセンサー、APS-Cセンサー、フォーサーズセンサーなどのセンサーの大きさでもノイズに対する特性が違うので、ISO感度の大小だけで画質は判断できないのが実際のところです。
ISO6400
ISO12800
ISO12800になると、あきらかにノイズが増えたと分かります。上の写真はブログ用に縮小してあるので分かりにくいんですが、実際は点描画のような感じになってます。
ISO25600
今回撮影に使ったニコンD5500での最高ISO感度です。
オーブンの中の猫もちの形状が判断できません。さながら心霊写真のような感じです(笑)
実際の撮影でこの感度を使う事は非常にまれだと思いますが、記録用に撮影出来ればOKなら全然使えますね。
ここで注目して頂きたいのが、シャッター速度です。
部屋の明るさは一定なので、ISO感度を上げれば多少の薄暗さでも手持ちで撮影できることが分かります。
高感度撮影おまけ
見た目ちょっと色合いがおかしな写真ですが、これはISO25600でシャッター速度は1/8秒で撮影した写真になります。
この写真、実はですね…
肉眼で見るとこのくらいの暗さの中で撮影しています。
ISO感度を上げると猫の目のように暗闇でも物を捕えることができるんですね。恐れ入ります。
ISO感度の上手な使い方
ISO感度を上げるとシャッター速度を速くできます。
例えばISO感度を100から200に上げると、シャッター速度が1/30秒だったのが1/60秒になります。絞りにも同様な事が言え、F4だったのがF5.6で撮影出来るようになります。
これはISO感度を100から200にすると、光に対する受光能力が倍になるからです。
なので、撮影条件によって絞り値はそのままでシャッター速度を上げたい時や、反対にシャッター速度を変えずに絞り値を大きくしたい時は、ISO感度でコントロールできるんです。
ちなみにISO感度を100から400に4倍にすればシャッター速度と絞り値は2段分変化します。
自分で試してみて、改めてISO感度とシャッター速度、絞り、それによるノイズの増減について詳しくなれたような気がします。
基本的には自分が求めるシャッター速度内で最小のISO感度設定がイチバン画質に対する影響は少ないですよね。
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