2015年、夏。群馬県利根郡みなかみ町にある土合駅を訪ねた。
目的はただ1つ。日本一のモグラ駅と名高い地下70mにあるホームに降り立つためだ。
別に駅にも、電車にも、階段にも興味はない。ただ、地下駅に行って来たとの事実が欲しいだけなんだ。
土合駅の階段数462段
夜中に到着して、クルマで仮眠をとるがすぐに朝日で起こされることになる。外に出ると駅舎入り口で仮眠をしていた登山者とみられる若者たちはすでにいない。時計は6時30分を指している。
簡単な朝食を済まして駅舎に入る。ふと見ると時刻表がある事に気付いた。
1日5本
電車には興味はないが、せっかく来たのだから電車の写真くらいは撮りたいとの思いが湧き上がってくる。地下駅は下り側のホームになるから、始発電車でも8時34分からしか撮影の機会はないようだ。
それに間に合うように地下に下りれば問題ない。時間は1時間以上余裕があるから、駅舎の周りの写真を撮って時間をつぶしてみることにした。
トイレは近代的
コシタツはトイレが汚いと、そこには2度と行きたくないと感じてしまう人間だ。なぜなら、すぐにお腹を下すからである。先程食べた朝食のせいでトイレに行きたくなってきた。
重く閉ざせれた扉を開けると、僕は一瞬自分の目を疑った。なぜなら、そこには都会のオフィスにあるトイレが存在していたからである。
まるで『どこでもドア』だ。僕の望みが扉に通じたようである。これで安心して、心置きなくようが足せる。
手洗い場もキレイだ。
なぜトイレだけがハイクオリティ仕様なのかは分からないが、キレイなトイレが嫌いな人はいない。ここで生活できそうだ。
さあ地下駅に向かおうか
改札に通じる、駅舎のロビーである。
到着した夜には、登山者とおもわれる人たちが雑魚寝をしていたが、すでに人影はない。トイレを見てしまった後だと、なおのこと古さを感じてしまう。
登山者に注意を促す看板が物々しい。僕には登山する人の気持ちは全然分からないが、気を付けて欲しいものだ。
鉄棒がある
24時間無人の改札を抜けると鉄棒を発見した。意味もなくこんなものを設置するわけがないのでぶら下がってみることにする。
たぶん、ぶら下がったら負けなのであろう。ブービートラップだ。しかし、床が落ちて奈落が顔を出すことはなかった。
服装のセンスがヒドイが関係ない。ぶら下がる事で背筋が伸び、すこしリフレッシュした気分になった。おそらくだが、階段を上ったらこれで体を伸ばせとの事であろう。とりあえずそう解釈してみた。
地下駅に下り立った
さすがに70mもの地下にあるホームである。半袖、半ズボンという軽装で来たことを後悔した。正直、寒い。しかし電車が来るまでには、まだ15分ほど時間がある。
理由があるのだろうか?ホームが2列並んでいる。右に見える白い建物は待合室である。待合室からホームまでは迂回しないとたどり着けない。ちょっとした嫌がらせに感じる。
誰も待っていない待合室。停電したら真っ暗でどうすることも出来ないであろう。
待合室の外れにはトイレもある。あまり入りたくない感じの悪いトイレだ。流した汚水はどこに流れるのだろうか?ここは地下70mである。
電車が来た
駅構内に気圧の変化を感じた。レールが続くトンネルの暗闇奥から音が聞こえてきた。列車が来たようだ。
列車を待つ親子連れがいる。電車マニアなのだろうか?
当たり前だがグングンと近づいてくる。生まれて初めて一眼レフカメラで電車を撮影した。何度も言うが、電車には興味はない。
以外と乗降客がいるようだ。降りたお客さん達はあの長い階段を上っていくことになる。
地上に戻ろう
目的も達成できたし、地上に戻ることにしよう。
労いの言葉が書かれた引き戸。
連絡通路は川を越えているので、途中の窓から川の流れを眺める事ができる。
この光景が結構気に入っている。冬は深い雪であたり一面が、この鉄格子の入った窓まで覆われるのだろう。
無事に目的も達成して、地上に戻ってきた。駅舎ロビーには観光客も増えて、微かに賑わいを帯びてきていた。
なぜか廃墟
駅舎の向かいには、廃墟を通り越して、ゆっくりと自然に帰ろうとしている建物がある。
かつては菊富士食堂と呼ばれ、谷川岳登山者のオアシス的な場所だったらしい。New トレンドのネイチャーライフ。このサイトに詳しく書かれている。美人姉妹はいま何処…
連絡橋
山肌に吸い込まれるように伸びている連絡橋。
ものすごく不自然な感じがする。コンクリートで覆われた接続部先から462段の階段が始まる。
土合駅の場所
そういえば谷川岳ロープウェイは自然災害の復旧工事の為に運休していた。
本来ならもっと観光客が多く、にぎわっていたはずであろう。
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