およそ10年ぶりにフルモデルチェンジでの登場なのが『AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR』です。
てっきりAF-PレンズはDXフォーマット(APS-Cセンサー)用でのみ展開するのかと思っていたのですが、フルサイズのFXフォーマットでのいきなりの販売でちょっと驚いています。
これから順次AF-Pレンズになっていくんでしょうか?気になります。
写真引用:ニコン
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
AF-Pレンズとはピント合わせ用の内部駆動レンズにステッピングモーターを使うことで、高速オートフォーカスと静寂性を実現した新しいタイプのレンズになります。
その結果として、古いタイプのカメラボディとの互換性が損なわれている部分があるので注意が必要です。
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VRの特徴
『AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR』の気になる特徴をまとめてみました。
- 焦点距離300mmまでの焦点距離をカバーしながら、質量約680gの軽量設計で携行性に優れたFXフォーマット対応の望遠ズームレンズ。
- ステッピングモーターを採用した「AF-Pレンズ」で、高速かつ静粛なピント合わせが可能。動画撮影にも○。
- 手ブレ補正効果4.5段※(CIPA規格準拠)のVR機構を搭載。
- VRモードには[SPORT]モードを採用
- 電磁絞り機構搭載
- 防塵・防滴構造
定価はフルサイズだけあってそれなりの値段で、税込み101,520円。実売価格は82,000円前後です。
焦点距離 | 70 – 300mm |
---|---|
最大絞り | 焦点距離70mm時:f/4.5 焦点距離300mm時:f/5.6 |
レンズ構成 | 14群18枚(EDレンズ1枚) |
画角 | 34°20′-8°10′(FXフォーマット)
22°50′-5°20′(DXフォーマット) |
寸法(大きさ) | 約80.5mm(最大径)×146mm |
質量(重さ) | 約680g |
軽量望遠ズームレンズ
70-300㎜の焦点距離を持つフルサイズ対応ズームレンズとしては680gと超軽量級です。
技術の進歩を感じます。
旧モデルの『AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED』が745gだったのに対して、65gもの軽量化が図られています。
もちろん、タムロンの新定番レンズ『SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD (Model A030)』よりも軽量です(値段は違いますが)。
ステッピングモーター採用
ニコンレンズの新ラインであるAF-Pレンズの最大の特徴であるステッピングモーター採用で、高速かつ静寂なオートフォーカスを実現しています。
個人的な感想ですが、AF速度的にはキャノンに追いついたってところだと感じましたが、AF時の静寂性は優れており、動画撮影時に『ミュイミュイ』等のAF音が入らないので、すこぶる使い勝手が良くなるはずです。
手振れ補正効果4.5段
かなり強力な手振れ補正効果を持つVR機構を搭載してきているので、夕暮れなどのシャッター速度が上げられない状況でもブレない写真が撮影できます。
ちなみに4.5段の手振れ補正をシャッター速度に換算してみると、実シャッター速度1/15秒時にVRオンにすれば、1/250秒時以上に相当する手振れ補正効果が得られます。
望遠~超望遠域でのシャッター速度はなるべく速い方が手振れをおさえる事が可能な為、4.5段分の補正効果はかなり有効です。
VRスポーツモード搭載
最近のニコンレンズはミドルグレードのレンズにもVRスポーツモードを搭載しているのが嬉しいですね。
通常のVRモードでは動きのある被写体を追いかけての撮影時に、手振れ補正がイレギュラーな状態で作動して、撮影に悪影響を与える可能性があるのですが、VRスポーツモードで撮影すると動きを追いかけながらでも自然な手振れ補正の効きになります。
電磁絞り機構搭載
レンズ型番のレンズの明るさを表す数値の最後に付いてる『f/4.5-5.6E』【E】が電磁絞り搭載の印です。
電磁絞りの特徴はカメラボディ内からのレバーで絞りを作動させる必要がないため、機会的な遊びやロスが少なく高速連写時に露出の安定性に効果を発揮します。
防塵・防滴機構
防塵・防滴構造で多少の悪環境下での使用にも耐えられます。
この辺りはDXフォーマット70-300mmのズームレンズとは一線を画す部分で、値段相応の仕様になっています。
ちょっと残念な部分
値段的に仕方ない部分ですが、ナノクリスタルコートではないって部分でしょうか?
ただ、最近のニコンレンズはナノクリスタルコートでなくても、逆光耐性に強くなっているようなので、値段が上がるくらいなら要らないって意見もありますね。
それと、一番の問題点が古いカメラボディでは一部機能がデフォルトの動作をしなかったり、完全に使えなかったりします。
使えないカメラ
デジタル一眼レフカメラのD2シリーズ、D1シリーズ、D200、D100、D90、D80、D70シリーズ、D60、D50、
D40シリーズ、D5100、D5000、D3200、D3100、D3000、およびフィルム一眼レフカメラでは使用できません。
一部動作に影響の出るカメラ
D4、D4S、D3、D3X、D3S、D810、D810A、D800、D800E、Df、D700、D300、D300S、D7200、D7100、D7000、D5200ではピント合わせを行った後にカメラの半押しタイマーがオフになると、再び半押しタイマーがオンになったときにピント位置が変わります。撮影時に再度ピント合わせを行ってください。ピントをあらかじめ合わせておいて被写体を待つ置きピン撮影など、ピント合わせからシャッターをきるまでに時間がかかる場合は、カメラの半押しタイマーを長めに設定しておくことをおすすめします。
引用元:ニコン
購入前に必ず使用するカメラボディのチェックをオススメします。
他のAF-Pレンズですが、Amazonの評価欄などでも、買ったけど使えなかった等のコメントがあるので本当に注意して下さい。
結局お買い得レンズなの?
僕自身はDXフォーマットであるD5600で撮影して楽しんでるんで、特に今のところ欲しいなって気持ちは無いのですが、DXフォーマット用の『AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR』の性能に大変満足しているので、フルサイズに乗り換えたらちょっと気になるかもしれません。
現在フルサイズのFXフォーマットを使ってる方なら、ステッピングモーター初搭載のいわゆる爆速AFを味わえるレンズなので、お金に余裕があれば購入してみるのも楽しいかと思います。
某掲示板などでは、望遠端の写りがかなり良くなっている等のコメントも見受けられるので、カメラもレンズはやはり最新が最良なのだなって感じます。
お買い得かどうかは、もう少し安くなればお買い得だと思います。
レンズフード、レンズポーチは付属しています。
レンズフードが長いので前玉を傷つけることは少ないと思いますが、安いニュートラルカラーくらいは付けておいた方が安心です。
予算が許せばカメラ雑誌でも評価が高い新しいタイプの極限保護フィルターもあります。
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