高グラフィックスで負荷のかかるPCゲームを長時間ゴリゴリやってると、CPUとグラフィックスボードが信じられないくらいに発熱して、大型のCPUファンでいくら風を送っても全然冷えません。
もちろん、壊れる程に発熱するわけではないのですが、それでもCPUは80℃を超えるし、そのあおりを食らってマザーボード直付けのM2タイプSSDも60℃オーバーとかなり高温になります。
そこで、この両方を一気に冷やすための切り札として、COOLER MASTER社製のCPU簡易水冷化キットに換装してみました。
結果的には大変満足いく結果になったのですが、取り付けがちょっと難しい、説明書が分かり辛いって意見が見受けられてたので、分かりやすくまとめてみました。
MASTERLIQUID ML240L RGB キット内容
CPUの水冷化キットはCOOLERMASTERの他にもThermaltakやCorsairなどが有名ですが、それなりの知名度と価格の安さを考えればCOOLERMASTERが頭一つ以上抜けてる感じです。
今回取り付けたMASTERLIQUID ML240Lはラジエターファンと水冷ポンプにカラフルに色が変化するRGB LEDが組み込まれているので、水冷化する以外にもパソコンイルミネーションとしても楽しめるメリットがあります。
届いた箱はかなり大げさな感じで大きかったのですが、重量は全然軽くて、中身入ってるのか?と思わせる程でしたが、中身はしっかり入ってます(笑)
箱から水冷化キットをすべて取り出してみました。
購入したタイプはより効果的な冷却効率アップを望んでいたので、ラジエターサイズ120㎜×240㎜サイズになります。
ホースの長さはおよそ30㎝くらいなので、ミドルタワーケースなら問題無いと思いますが、フルタワーだと取付場所に制限がありそうです。
CPU対応はIntel、AMD両社対応しているので、よほどの古いタイプのCPUじゃない限り適合すると思います。
口コミサイトや評価欄では、ラジエターのフィン曲がりがあって残念って書き込みがあったのでちょっと不安だったのですが、届いた製品では目立つほどのフィンの曲がりはありませんでした。
もちろん、写真から分かるようにヘニャってしてるフィンもありますが、この程度はしょうがないと思います。
フィンは触れたら簡単に曲がってしまうほど柔らかいのです…
取付手順と注意する部分など
さっそく水冷化キットを取り付けたいのですが、その前に準備するものがあります。
と言ってもプラス(+)ドライバーが1本あれば問題ないです。逆に言えばこれが無いと作業が進みません。
それと、思いのほか取付に時間がかかったので、お休みの日にじっくり作業する時間的なゆとりは欲しいです。焦ると失敗するものです。
空冷クーラーを外してキレイにする
まず最初に空冷CPUクーラーを取り外します。
※その前に電源コンセントは必ず抜いて20秒程度は放置しておきましょう。
外し方はメーカーによってさまざまですので、各社仕様によって外してください。
写真はサイズの白虎なので、工具を使わずに簡単に外せました。
外すとCPUグリスが付着しているので、これを取り除きます。
普通にティッシュペーパーでふきふきしてますが、今のところ静電気で壊れたりしたことはありません(自己責任)…
キレイにしたら、ひとまずPC側の作業は終了。
水冷クーラーを組み立てていきます。
ラジエターの組み立て
最初はラジエターにファンを組み込んでいくのですが、似た様なネジがあるので注意して下さい。
このタイプのネジになります。
この様に差し込んでラジエターに取り付けます。
手締めだと不安なので、軽くドライバーで締めておくと安心です。強く締めすぎると、ラジエターはアルミなのでなめちゃいます。
簡単な作業なのですが、ファンの向きに注意してください。
この写真の取り付けで外排気になります。
Intelタイプ 水冷ポンプの組み立て
水冷ポンプにマウント用の台座を取り付けます。
IntelとAMDのブラケットが用意されています。写真はIntel用です。
板の向きとネジの取付方向に注意して下さい。
この向きで、このように取り付けられたら正解です。
AMD用もこれとほぼ同じ感じの取付になります。
板を逆さまに取り付けないように注意して下さい。
水冷ポンプは完成。
マザーボード固定用マウントの組み立て
この部分は説明書だけだと不親切な感じなので詳しく書きます。
下の写真の部品を組み立てていきます。
まずは、現在使っているCPUのソケット形状を調べます。
Intelの場合はCPUの世代によってソケット形状が違うので、グラボの取付穴位置も微妙に違います。
ネットで『CPU ソケット形状 Core〇〇』なんて検索かければすぐに分かると思います。
僕の場合は『Core i7 8700』なので、調べるとLGA1151v2になります。説明書に照らし合わせるとLGA115Xになります。Xには末尾番号が入るので、CPUの世代によっては0、1、5、6などが入ります。
ソケット形状の違いによって差し込みピンの位置が変わります。
LGA115Xは真ん中の線に爪を合わせます。
組み立ては、溝のある側からピンを差し込みます。
所定の線の位置に爪が来るようにカバーを取り付けます。
ここがちょっと分かりづらい場所だったのですが、カバーの位置は動かさずにピンをスライドさせてカバーの溝にパチッとはめます。
これでしっかり固定されます。
これを4か所作業したら完成。
ラジエターと水冷ヘッドの取付
下準備が整ったので、PCケースにラジエターを取り付けます。
取り付け場所はお好みで構わないんですが、ホースの取り回しに無理がない場所が良いです。
PCケースは『Thermaltake Versa H26』になります。
ラジエターをケース上面に仮止めして取りまわしを検討した結果、今回はケース上面に決定しました。
排気は外排気にしています。
水冷ヘッドを取り付ける前に、CPUにグリスを塗っておきます。
ちょっと足りないかなってペタペタしたら若干イマイチな感じになりましたが、問題無いはずです(笑)
付属のグリスでも大丈夫だと思いますが、今回は『Thermal Grizzly 高性能熱伝導グリス』を使ってみました。
2回分くらいの容量で700円しないくらいの価格なので試してみました。
たぶん高性能なはずです…
グリスを塗ったら先ほど組み立てた固定用マウントをマザーボード裏側から差し込みます。
ピンの位置を間違ってると、ここで上手くハマりません。
水冷ヘッド固定用のネジを用意しておきます。
取り付け前には必ずビニールシートを剥がしましょう。
取り回しに無理がないことを確認しながら、水冷ヘッドを差し込みネジで固定します。
手締めだと危ないので、グッとした手ごたえを感じるまでドライバーで締めてます。
水冷ホースの根元は可動式になっているので、ホースに無理のない角度に調整しておくと良いです。
ファン、ポンプ、LEDの配線
ちょっと面倒なのが配線類です。
MASTERLIQUID ML240LはLEDライティングをRGBコントロール出来るようになっているので、その分配線が多いです。
水冷ポンプはCPUファンコネクタに差し込まない
一番間違えそうな部分なので最初に書きます。
水冷ポンプの電源コネクタはCPUから直接出ている感じに見えるので、CPUファンコネクタに差し込みたくなりますが、間違いです。
マザーボードの説明書やマザーボードの電源コネクタをよく見るとCPUファンコネクタの他に、【PUMP】ってコネクタがあるはずです。
写真はASUSのマザーボードですが、こんな感じです。
基本的に水冷ポンプはCPU温度に対して回転数をコントロールせず、常に一定回転で水を循環させているので、回転が変動するとトラブルの元になります(たぶん)。マザーボードによっては認識しないかもしません。
CPUファンには2個1コネクタを使う
CPUファンコネクタには、この2個1コネクタを使って2つのファンケーブルを1つにしてから、CPUファンコネクタに差し込みます。
最初に水冷ポンプとCPUファンコネクタを差し込んでおけば、後はLEDケーブルを処理するだけなので、分かりやすいと思います。
LEDイルミケーブルは3本を1つにしてリモコンに接続
LEDイルミネーション用ケーブルは3本あるのですが、それをファン同様に1つにまとめてから、LEDイルミネーションリモコンに差し込みます。
マザーボードにRGBヘッダーコネクタが搭載されていれば、リモコンレスでシンプル配線可能です。
RGBイルミネーション対応のマザーボードにはこんな感じのコネクターが装備されているので、探してみてください。
無くてもリモコンで色を変えたりできるので問題ないですが、マザーボードのイルミネーションと同期は出来ません。
LED用コネクタはすべてメスになるので付属の変換ピンを使ってオスに変えておく必要があります。
全体の写真を撮り忘れたのですが、こんな感じで3個1ケーブルに接続します。
まとまったコネクタをリモコンに接続します。
でも、これではまだ使えません。
4ピンペリフェラルコネクタからリモコン電源を引く
リモコン用の電源を4ピンペリフェラルコネクタから引っ張って来ます。
最近のPCではほとんど使われなくなった4ピンなんで、モジュラータイプの電源なんかはコネクタを新たに差し込んで…なんてなりますが、僕がそうでした(笑)
何しろケーブルもコネクタも細く小さいので取りまわしに注意して下さい。
接続出来たら完成です。
配線チェックしたら電源オン
配線ミスや余っている部品やコードが無いかをもう一度チェックしたら電源オン!!!!!
無事に起動出来たら、水漏れのチェックをします。
ホースの付け根が危ない部分なので、チェックしてみて問題なければ完成です。
リモコンでイルミネーションのカラーを変えて楽しみましょう。って違うか(笑)
緑もキレイですが…
涼しげなブルーもキレイ…
僕は結局のところ配線が多くなるのが嫌だったので、RGBヘッダーに繋げて【ASUS AURA SYNC】で使ってます。
CPU温度は15℃ほど低下した
完成したので、さっそくCINEBENCHで負荷をかけてみましたがあまり温度が上がらなかったので、ディビジョン2を長時間プレイして温度上昇を見る事にしました。
結果はこんな感じです。
CPU温度83℃前後→68℃前後
サイズ製白虎の時はゲームを長時間プレイするとかなり高温になっていたのですが、水冷にしたら驚くことに70℃から温度が上がりません(笑)
いや、これは…すごいです。
M2 SSD温度は65℃→55℃
懸案だったM2タイプSSDの爆熱問題だったのですが、これも熱源である空冷クーラーが無くなったために温度が10℃ほど減少。
これでもまだ熱い感じですが、瞬間的な最高温度が55℃であって、平均すれば50℃前後に収まっていると思われるので、CPU水冷化で当初の目的である『CPUとM2タイプSSDの温度低下』には概ね成功したんじゃないかと思います。
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