新型 タムロン『SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD G2』と旧型レンズを徹底比較

タムロンから超望遠ズームレンズがリリースされました。

ベースモデルは2013年12月発売の『SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)』になりまして、このモデルを光学系から、AFプログラム、レンズデザインまでリファイン・リニューアルしてのリリースなので、完全な新作レンズとまではいかないのですが、かなりの進化が見られます。

ちなみに、タムロンはこの新しい超望遠ズームレンズを『Generation Second (G2)モデル』と位置づけています。

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新旧 SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD レンズ比較

最近のタムロンは定番人気レンズ(SP90㎜マクロ等)のリリース間隔が短くなってきており、新旧レンズが同時に市場に出回っている状態になっています。

通常ですと、旧モデルに関しては在庫一掃目的の為にある時期から格安で販売され始める可能性が非常に高いので、特に最新型にこだわらなければ同じ焦点距離のレンズを格安で手に入れる事ができます。

そこで購入時の参考になればと思い『SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD』新旧レンズを比較してみる事にしました。

デザイン比較

新型 A022

タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2

旧型 A011

タムロン SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD

画像引用:タムロン

最近のタムロンレンズのデザインはレンズボディの金帯、銀帯をやめて、レンズマウント部分のリングの色を質感ある銀色にすることで、SPモデル(高性能レンズ)を表しています。

金帯の評判があまり良くなかったのと、デザインが若干古臭くなってきていたので、最近の洗練されたタムロンレンズのデザインは個人的には良いと思います。

サイズ比較

新旧モデルのサイズを比較(ニコン用)していきます。

モデル名 新型 A022 旧型 A011
長さ 257.7mm 257.8mm
最大径 Φ108.4mm Φ105.6mm
重さ 1,990g(三脚座を含む) 1,951g(三脚座を含む)
フィルター径 Φ95㎜ Φ95㎜

ベースモデルが一緒になるので、大きさはほぼ同じですね。

重量的には決して軽いレンズでは無いのですが、焦点距離から考えるとやはり非常に軽いレンズになります。持つと結構ずっしりきますよ。

新旧モデルとも、三脚座は脱着可能なので、外せばもう少し軽くなります。

性能比較

新型レンズは全体像は旧型レンズを踏襲していますが、レンズ枚数や撮影距などが使いやいす方にブラッシュアップされてます。

新型 A022 旧型 A011
明るさ F/5-6.3 F/5-6.3
画角(35㎜) 16゜ 25′ 〜4゜ 8′ 16゜ 25′ 〜4゜ 8′
最短撮影距離 2.2m 2.7m
レンズ構成 13群21枚 13群20枚
絞り(ニコン) 電磁絞り 9枚 円形 9枚 円形
手振れ補正 VC 3モード VCのみ
簡易防滴構造 あり あり

最短撮影距離の短縮

同系統で同じ焦点距離のズームレンズなので、基本的には同じになるのですが、注目したいのは新型の方が最短撮影距離が50cmほど短くなっていて、より使い勝手が良くなってます。

ズームレンズのメリットは人間が移動しなくても画角を調整できる部分があるのですが、近くで撮影しているとどうしても最短撮影距離を割り込みピントが合わなくなることがあります。

この場合は撮影者が後ろに下がって解決するんですが、最短撮影距離が短いとその手間が省けます。

電磁絞り対応(ニコン)

ニコンレンズの電磁絞り対応となります。

ニコンFマウントは絞り機構をカメラボディで制御し、絞り操作をマウント内に組み込まれた絞り連動レバーで操作しているのですが、高速シャッター時に絞り制御の不安定性があるので、最近のレンズは電磁絞りに移行しつつあります。

手振れ補正機構3モード

最近のレンズは手振れ補正にもバリエーションがあり、新型レンズもそれにならっています。

  • MODE1: ファインダー像の安定と補正効果のバランスがとれた、基本となるモード
  • MODE2: 流し撮り専用のモード
  • MODE3: 補正効果を優先したモードで、シャッターが切れる瞬間のみ補正

引用:タムロン

 

レンズ構成比較

新型(A022)

NEW SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2

旧型(A011)

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD

画像引用:タムロン

新型レンズは旧型レンズに対してレンズ最後端部に1枚レンズが増えています。

それ以外のレンズ構成は旧型とほぼ一緒の様に見えます。

次に比較するMTF曲線図では、旧型に比べてかなり性能が上がっているので、もちろん、それだけが理由ではないのでしょうが後端部のレンズ1枚でずいぶんと性能が変化しているのが分かります。

MTF曲線比較

MTF曲線はレンズ性能の一端を垣間見れる便利な曲線図なんですが、これだけでレンズ性能のすべてを推し量ることは出来ないので注意が必要です。

簡単に説明すると、縦軸がコントラストを表し、横軸が画面中心からの対角線上の距離を表しています。

曲線の数値が1に近づくほどコントラスト、解像度の良いレンズと言えます。

新型(A022)ワイド端

NEW SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ワイド側

旧型(A011)ワイド端

old SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ワイド側

見比べてみると一目瞭然ですね。新型の方が性能がアップしていることが伺えます。

新型(A022)ズーム端

NEW SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ズーム端

旧型(A011)ズーム端

OLD SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD ズーム端

画像引用:タムロン

新型レンズの方が旧型に比べて全体的にボトムアップされているのがよく分かります。

旧型レンズは600㎜望遠端で使うと、どうしても解像感が低下するなどの意見が多く聞かれますが、新型レンズは旧型よりも期待が持てそうです。

フルサイズだとレンズ周辺部にいくほどにグラフのが低下していくので、APS-Cフォーマットカメラで使えば、美味しいところだけ使えそうな予感がします。…まあ、そんなに単純ではないと思いますが。

その他変更点比較

なにしろ全面的にリニューアルされているので、細かな部分もユーザーニーズに合わせて変更が施されています。

フレックスズームロック機構

ズームリングにズームロック機構を備えたフレックスズームロック機構を採用しているので、ズームリングから手を持ち変えずにロックが可能になります。

三脚座がアルカスイス互換

三脚取り付け台座の安定性・固定性に優れたアルカスイス互換タイプになっています。

さらに、素材はマグネシウム合金を使って軽量化してあります。

TAMRON TAP-in Console対応

かなり気になる装置なんですが、簡単にいえばシグマのUSBドックみたいにレンズをPCを繋いで自分好みの仕様にしたり、ファームウェアの更新が自分でできるようになります。

最後は値段?

比較してみて分かったのですが、ベースは同じですがほぼ違うレンズになってます。

実売価格は新型(A022)が133,000円前後、旧型(A11)が90,000円前後での販売になっています。

今のところ新型はご祝儀価格なんですが、これから年末にかけて値段が下がるものと思われますし、それに伴って旧型の値段も下がっていくと思いますが、差額としては4~5万程度の違いで推移するものと思われます。

違うかも?

個人的には新型レンズを年内に購入予定であるので、12万円を切るくらいまで下がれば買っちゃおうかな?ってとこですかね。

旧型レンズは8万円台を割り込むようだと買いなのかもしれません。数年前の型落ちレンズですが、国内有名レンズメーカーの超望遠ズームが7万円台で買えれば悪くないような気がします。

タムロンは値下がりが早いんですが、110,000円が値段的にいい線ではないでしょうか?

80,000円前後になっていれば買い時かもしれません。

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コメント

  1. jun より:

    コシタツ様。

    あらら…こないだ旧型買ったとこなのに(笑)。
    新型なりの進化はあるものの、純正200-500と勝負できるかと言われればちょっと厳しいかなとも…物が大きくなってもせめてF5.6通しで出すべきだったのではないかと思ってしまいます。
    しかしながら、内容的には純正よりもむしろシグマを意識したリニューアルです
    ね。
    先日明石海峡で船撮りに初使用しました…概ね満足しておりますが三脚座外しても手持ちは少しキツいです(特にズーミング時)。
    けどD3300のような小さなボディとのバランスは純正やシグマよりもタムロンが一番良いといったレビューもありましたので5500にも同じ事が言えますね。

    新型の登場により旧型が値崩れしてコシタツさんも悩ましくなりますね♪。

    • コシタツ より:

      junさん、こんばんは。
      これから冬にかけて空気も澄んでくるので、船撮影が楽しくなりそうですね。
      手持ちはやっぱり重いですよね。僕もお店で試してみたんですが、慣れないせいもあるのか、これは大変だなぁと思ってました。
      個人的にはタムロン新型が500㎜での写りがニコン純正と同程度であれば買うつもりでいます。100㎜長いって、やっぱりアドバンテージに感じるんですよね。
      ただ、旧型がどの程度まで値落ちするのかも気になります。

  2. jun より:

    コシタツ様。

    純正200-500は解放でもかなりキレのある画を吐き出すみたいなので、タムロン新型でも厳しいかもです。
    シグマとタムロンでの比較ではテレ端がタムロン、ワイ端ではシグマが解像力に優れているとの事ですが600mmでは両者共に甘くなる傾向に…純正も500mm解放では若干甘くなるみたいです。

    D5500ならやっぱりタムロンでしょうか。

    • コシタツ より:

      junさんの言われるように、帯に短しタスキに長し…なので、この辺りが悩ましさを増長しています。
      実は、シグマの150-600㎜スポーツもかなり安くなってきてるんですよね…

      とりあえず、販売されて画像が出てきたらもう一度真剣に考えるつもりです(笑)
      やっぱり、デザインがカッコイイので新型かなぁ???

  3. 日野 より:

    コシタツさん、こんにちは、いよいよ超望遠ですか、写真楽しみにしています、
    私には、刺激が強すぎかも!(笑)、寝られなくなりそうです(笑)。

    • コシタツ より:

      日野さん、こんばんは。
      コメントしていませんが、ブログ拝見してます(^^♪

      超望遠ズームレンズは年内中の購入予定でいます。
      冬は空気が澄んでいるので、超望遠での撮影が楽しそうな予感がしています。
      まあ、近所に公園に来る冬鳥がメインになりそうです。ちょっと足を伸ばして、猛禽類や飛行機なども撮影してみたいですね。
      まだ、買ってませんが(^^;

  4. しまる より:

    こんばんは。
    150-600 A022ですが、これに合わせてテレコンが準備されていますよね。ただ、こいつにしか今のところ対応していないとか、タップインコンソールも新SPにしか対応してないとか、タムロンの対応はシグマに比べてなんか中途半端ですよね。でも、タムロン24-70と70-200を使用している身としては、タップインコンソール対応の新型が出ないか不安です…
    …>_<…

    • コシタツ より:

      しまるさん、こんばんは。

      現在のタムロンは怒涛の勢いで、旧レンズシリーズからの更新を図っているように感じます。
      この辺りはサードメーカだけあって割り切り感がすごいというか、旧ユーザーへの優しさはあまり感じられないですね。
      たぶん、24-70、70-200などの高価格帯レンズはある程度在庫を減らしてからのリリースのような気がするので、まだまだのような気がしますが…

      売れ線モデルのリニューアルが目立つので、個人的にはSP70-300㎜あたりが先にリニューアルされそうな気がします。

      • しまる より:

        個人的にはタップインコンソールが旧SPレンズシリーズに対応してくれれば、即買いなんですが…!
        後、70-200に使えるテレコンが出れば、完璧ですwww‼︎

        • コシタツ より:

          タムロンってテレコン出してなかったんですね(^^;
          今まで知りませんでした。

          テレコンは互換性があってもよさそうですが、理由があるんでしょうねきっと…

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