『キャノンEOS Kiss X7』『ペンタックス K-S1』『ニコン D3300』と、これからデジタル一眼レフカメラを始めてみたい人にはピッタリのレンズキットモデルをピックアップしてみました。
この3機種に共通しているのは、ちょっと古い型落ちモデルであるが現行品である事、初心者にはうれしい標準レンズとズームレンズがセットである事、そしてあり得ないくらいにバカ安である事の3点なんです。
一眼レフカメラを始めてみたいけど予算が限られている方、続くかどうか分からないからとりあえず安いのを欲しい方、スマホよりも凝った撮影をしたい方などにピッタリだと思います。
『キャノンEOS Kiss X7』『ペンタックス K-S1』『ニコン D3300』比較
ここ数年でデジタル一眼レフカメラの性能はもちろん上がっていますが、だからといって数年前のモデルが陳腐化して使い物にならないのかと言えばそうではありません。
どちらかと言えばUI環境などは相当に進歩して便利になっていますが、カメラの基本的な部分はそれほど目に見えて違いが分かるほど進化していないのが現状です。
逆に言えば、数年前のモデルあっても相当に完成されたカメラであると言えるんです。
ダブルズームレンズキットを勧める理由
超個人的な意見なんですが、これから始めてデジタル一眼レフカメラを購入する方たちには、標準ズームレンズと望遠ズームレンズが初めからセットになったレンズキットを超力強くオススメします。
これにはちゃんと理由があって、標準ズームレンズだけで撮影していると必ず遠くも撮影したくなってくるからです。
なぜなら、標準ズームレンズは18-55㎜が基本になっているんですが、この焦点距離だと肉眼で見たママの距離でしか撮影できません。
ちょっと遠くは、やはりちょっと遠くのままに撮影してしまうんです。
一度使うとその楽しさに夢中になること請け合いで、僕はカメラを始めて2年以上経ちますがいまだに望遠ズームの虜です(笑)
気持ちは伝えたので、比較していきます!!!!
モデルシェイプと発売年月日
Canon EOS Kiss X7
手のひらサイズの世界最小・最軽量ボディーを採用しており、本当に小さく軽く作られています。色はこのほかにホワイトが用意されており、武骨なカメラのイメージを払拭して女性でも持ち出しやすい柔らかな印象になっています。
発売日は2013年3月です。
PENTAX K-S1
個性的であり、コストパフォーマンスに優れるカメラを製造するPENTAXはエントリーモデルであっても抜かりはありません。
直線を多用した武骨な感じは、全機種に共通するイメージでK-S1もそれを踏襲しています。緑色のイメージカラーも健在でグリップ部分にあるLEDが自己主張強めな感じがしますが、実物はそれほどおかしな感じはなく、それよりもカメラの小ささと薄さが目立ちます。
ブランド名が彫られたペンタ部分は他の2機種よりも大きめですが理由があります。
発売日は2014年8月です。
Nikon D3300
上記2機種と比べてしまうとちょっとずんぐりむっくりな感じのデザインに感じますが、見た目ほど重くなく、持ちやすいグリップ形状で使いやすいカメラです。
値段はそれほどこなれておらず、そこそこ高めですが、上記2機種が安すぎるってのも理由の一つです。
発売日は2014年1月です。
ボディサイズ比較
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
サイズ(W×H×D)
㎜ |
約116.8×90.7×69.4 | 約120×92.5×69.5 | 約124×98×75.5 |
装備重量(レンズ除く) | 約410g(ホワイト) | 約558g | 約460g |
ボディサイズはさすがに世界最小をうたう『EOS Kiss X7』がスペックシートで見て分かるように非常に軽くて小さいです。
『K-S1』がかなり重く感じますが、これには理由があって光学ファインダーに高性能なペンタガラスプリズムを使っている為にどうしても重くなります。
グリップ形状は3機種とも違っていて、成人男性で手の大きさ普通くらいの個人的な握りやすさでいけば、
D3300>K-S1>Kiss X7
の順になります。
女性だと逆になるかもしれません。
撮影基本性能
カメラの心臓部分である撮影・撮像機能は各メーカーの特色が色濃く出る部分でもあるので、単純に同列で比較できる部分では無いのですが、比較してみます。
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
撮像センサー | 約22.3×14.9mm
約1800万画素CMOSセンサー |
23.5×15.6mm
約2012万画素CMOSセンサー |
23.5×15.6mm
2416万画素CMOSセンサー |
フォーカスポイント | 9点(中央クロス1点) | 11点(クロス9点) | 11点(中央クロス1点) |
ISO感度 | 100~12800 | 100~51200 | 100~12800 |
最高シャッター速度 | 1/4000秒 | 1/6000秒 | 1/4000秒 |
連写性能 | 約4枚/秒 | 約5.4枚/秒 | 約5枚/秒 |
撮像センサーと色調
カメラの心臓部分である撮像センサーは3機種ともにAPS-Cサイズのセンサーを使用しています。
D3300>K-S1>Kiss X7
の順で有効画素数が変わりますが、画素数が多ければ高性能で写りの良い写真が撮影できるわけではないので注意して下さい。
余程大きくトリミングしない限りは、1600万画素以上あればポスターサイズくらいまでのプリントでしたら全然問題ない撮影が可能です。
撮影した写真の色調は、ちょっと演出が強い感じになりますがKiss X7は全体的にツヤっぽい写真に仕上がり、D3300少し淡白な色調に仕上がります。K-S1はその中間くらいですが、どちらかと言えばKiss X7に近いイメージです。
フォーカスポイント
フォーカスポイントとは、カメラ任せでピント合わせをする時にピントが合うポイントの事です。この数が多いほど被写体に対するオートフォーカス性能が高いともいえます。
デジタル一眼カメラにはフォーカスポイントガイドが付いてる場合が多く、ファインダーを覗いた時に見えるポイントがそれになります。
上級機種になるほどフォーカスポイントの数も増えますが、エントリーモデルでは10個前後が一般的です。
EOS Kiss X7
9点がフォーカスポイントになり、中央1点だけがクロスセンサーになります。
K-S1
11点がフォーカスポイントになり、中央オレンジ色部分は9点クロスセンサーになります。もちろん、中央1点クロスセンサーよりも、より精密なピント合わせが可能になります。
PENTAXのカメラはエントリーモデルであっても、上級機種の機能を積極的に導入しているのが特徴です。
D3300
11点がフォーカスポイントになり、中央1点がクロスセンサーになります。
単純にフォーカスポイントの数だけで撮影性能を計ることはできませんが、カタログスペックだけで判断すると、
K-S1>D3300>Kiss X7
の順になります。
ISO感度
ISO感度とは暗闇でも撮影できる性能を数値化したもので、この数値が大きいほど高性能になります。
メリットは多少の薄暗さならフラッシュを使わずに撮影出来たり、シャッター速度を上げて撮影が可能になりますが、デメリットは感度を上げていくと写真にノイズと呼ばれるザラつきが増えていきます。
K-S1>D3300=Kiss X7
の順になりますが、通常の撮影ですと6400を超えるあたりからノイズが目立ち始め、12800を超えるとザラザラした写真になります。
シャッター速度と連写枚数
シャッター速度は速く切れた方が、日中晴天で絞り開放で撮影したい時などに威力を発揮します。通常は1/4000秒あれば問題ありませんが、PENTAXは1/6000秒で撮影できるので、あとちょっとの使い勝手に差がつくと感じます。
K-S1>D3300=Kiss X7
1秒間の連写枚数は多ければ多いほど動きのある被写体(走る子供達やスポーツ等)に対して撮影しやすくなります。
しかし、単純に枚数が多く撮れれば良いってわけでもなく、失敗するとピンボケ写真や手振れ写真を大量に生産してしまう可能性もあります。
K-S1>D3300>Kiss X7
K-S1の毎秒5.4枚はエントリーモデルとしてはかなり速い部類になります。この辺りもPENTAXらしが出ています。
光学ファインダー
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
光学ファインダー | ペンタダハミラー | ペンタプリズム | ペンタミラー |
視野率 | 上下/左右とも約95% | 約100% | 上下左右とも約95% |
倍率 | 約0.87倍 | 約0.95 | 約0.85倍 |
一眼レフカメラの一眼レフたるポイントが光学ファインダーです。
あのカメラ然とした覗き窓ですね。
PENTAXはこの光学ファインダーに力を入れているメーカーで、エントリーモデルであっても上級機種と同じペンタプリズムと呼ばれるファインダーを使用しています。
このペンタプリズムは明るく視野が広く見やすいのが特徴なんですが、ガラスの塊で重いのが難点で、カメラの重量増の原因にもなっています。
Kiss X7とD3300はペンタミラーと呼ばれる方式で、鏡を向き合わせて反射させているのでペンタプリズムよりも軽いんですが、少し暗く、視野が狭く、見にくいのが特徴です。
K-S1>D3300≒Kiss X7
視野率とはファインダーに映る情報量で100%はレンズで見たままの情報になりますが、95%になると上下左右の残り5%はファインダーに映ってないって事になります。
倍率とはちょっと難しいので割愛しますが、基準レンズを装着した状態で肉眼で見た被写体と比べてどのように見えるかを表しています。1倍を切っていると肉眼で見たよりも小さく見える事になります。
手振れ補正機能
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
手振れ補正機能 | レンズ内補正 | ボディ内補正 | レンズ内補正 |
最近ではスマホにも標準装備されていたりする手振れ補正機能なんですが、3機種のうちPENTAXだけはボディ内手振れ補正機構だったりします。
このボディ内手振れ補正機構のメリットは、通常レンズ側に搭載される手振れ補正機構を省略でき、いかなるレンズ(例えば電子接点を持たない古いレンズ)であっても手振れ補正が動作することです。
Kiss X7とD3300はレンズ内手振れ補正機構になるので、手振れ補正のないレンズを使う場合は普通に手振れするので注意が必要です。
液晶画面
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
液晶画面 | 3.0型/約104万ドット | 3.0型/約92.1万ドット | 3.0型/約92万ドット |
タッチパネル | 〇 | × | × |
液晶画面は3機種ともに3.0型の液晶画面ですが、Kiss X7だけタッチパネルを採用しています。
タッチ液晶はスマホ感覚である程度直感的に操作できるので、カメラの操作に慣れないうちでもそれなり弄れたりします。
僕もタッチ液晶のカメラを使ってますが、正直かなり便利です。
撮影枚数などのバッテリーの持ちは?
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
撮影枚数 | 約380枚 | 約410枚 | 約700枚 |
デジタル一眼カメラはSDカードの許す限りいくらでも撮影できます。しかし、バッテリーが早く減っちゃうとそれだけ撮影できる時間が減るし、途中からバッテリーを気にして撮影しなければなりません。
表に載せたのはメーカーの公表値なので、フラッシュを使わない、液晶画面をあまり使わなければもっと撮影できると思います。
D3300>K-S1>Kiss X7
動画撮影性能
Kiss X7 | K-S1 | D3300 | |
1920×1080 | 30p/25p/24p | 30p/25p/24p | 60p/50p/30p/25p/24p |
1280×720 | 60p/50p | 60p/50p | 60p/50p |
録音 | 内部モノラル
外部ステレオ |
内部ステレオ | 内部モノラル
外部ステレオ |
デジタル一眼カメラでの動画撮影は、どうしてもカメラ性能に比べればおまけ的な意味合いが強くなりがちで、使い勝手などはビデオカメラに劣る部分が多いんですが、それなりに使えたりします。
1920×1080はフルHD撮影で、D3300だけがフレームレート60pでの撮影が可能です。フレームレートとは1秒間あたりの動画のコマ数で、これが多いほど動画は滑らかに動きます。
録音については、K-S1以外は残念ながらモノラル録音になります。
個人的な意見ですが、動画撮影はやはりデジタルビデオカメラの方が断然使いやすいですね。正直デジイチで動画撮影する気にはなりません。
使うならどうしてもって時の緊急用ってところでしょうか?
スマホとのリンク機能は無い
残念ながらWi-FiやBluetoothなどのスマホと接続できる機能は3機種ともに搭載されていません。
※D3300は別売りのWi-Fi接続ユニットがあります。
SNSにアップしたいなど、どうしても使いたい場合は、SDカードにWi-Fi機能を搭載したFlashAirなどがあるので、それを利用する手があります。
初期不良などがあるので、国内正規品をオススメします。
防塵・防滴でもない
これまた残念ながら、防塵・防滴ボディではありません。
防塵・防滴ボディとは、気密性に優れたボディ構造で作られているため、ちょっとの雨や埃っぽい環境でも内部に水滴などが進入しない作りになっています。
3機種とも非対応なので、撮影環境によっては注意が必要です。
※運動会などのグラウンドの埃程度は経験上問題ありませんし、小雨くらいなら雨が直接当たらないようにタオルを巻いたりすればそれなりに撮影出来たりします。
Canon EOS Kiss X7
値段の安さと、レンズ2本付いてくるお得感でベストセラーのEOS Kiss X7です。
小型軽量ボディは手の小さな女性の方が持ちやすく、タッチ液晶は使い勝手に優れています。
キットレンズでのオートフォーカスは値段を考えると非常に速く、シャッター音は軽く小さく使うシチュエーションを選びません。
それと、世界中のカメラマンが愛用するCanonってブランドも選ばれる理由の一つです。
PENTAX K-S1
カメラ初心者にはブランドネームがイマイチな感じがしますが、エントリーモデルであっても上位機種の機能・性能を積極的に取り入れてるのがPENTAXです。
今回の比較でも分かるように、ほとんどの項目でCanon・Nikonがザ・エントリーモデルあるのに対して、PENTAXだけがミドルグレード機種なみの構成であることが分かります。
カメラ本体の造形も人と被りにくいデザインですし、中身もミドルグレードに近いし、タイミングが合えばバカ安だったりするので、この3機種の中ではイチ押しカメラです。
ちょっとシャッター音とオートフォーカス音が大きな気がしますが、メカニカルな感じが好きな人には問題ないでしょう。
Nikon D3300
上記2機種にくらべて値ごろ感が少ないのがD3300です。
基本的な性能は高く、そつなくなんでも撮影できますが値段的なアドバンテージが少ないのが今のところマイナスポイントです。
キットレンズでのオートフォーカスも早く、レンズの写りも良い為、2400万画素の高画素と相まってハマるとかなりキレイな写真が撮影できます。
ただ、ちょっと色味が淡白なので、それをナチュラルと捉えるか、薄味と捉えるかで評価が変わってくると感じます。
もうあと1万円安くなればお買い得満載になるんですが…
コメント
こんばんは。
各社、エントリー機とはいえあなどれない性能ですね〜。ワタシはニコン使いなんで、個人的にはD3300を推したいですが、ペンタックスのss1/8000やらペンタプリズム(重量増加になりますが)なんかは正直羨ましいと思いますw
ただ、ペンタは動態に強くないと言うイメージがあるのと、やっぱりCanon/Nikonに比べるとレンズが少なそうなのがチョット気になりますが、基本性能はかなり高いですよね〜。
まあ、ワタシが今のD5500から買い直すとしたら、やっぱりニコンですがw
しまるさん、こんばんは。
調べてみてわかったんですが、APS-Cエントリー一眼レフってかなりいいところまで開発されてるような気がします。
もちろん上位機種をみれば全然格下なんですが、カメラや写真にそれほど興味の無い人がとりあえず1台買うなら文句ない性能だと思います。
やはり個人的にはPENTAXが気になりますね。
ボディ内手ブレ補正が使えるので、安い中古レンズで遊んでみたいです。
ただ、買えるならD7200かD500が欲しいです(笑)
ニコンの場合、下位機種といえど、画質を重視していると言うのはポイント高いです。
ペンタックスは、今の経験値と知識だからこそ気になるのでは?w
そうですね〜、ボディ内手振れ補正もあるし、何気に凄いんですよね…
ワタシが買い換えるならD750がイイですね〜。もちろんD500も!
しまるさん、鋭いです!!!
今だからペンタックスの選択肢がありますが、始めた当時はニコンかキャノンが安心で、色の選択肢としてペンタックスがありました(笑)
最近だと、PENTAX KPがちょっとカッコイイですね。