小さな町工場で知る、頑張らずに働く生き方。1日6時間働いて、食うに困らない!?

零細企業の町工場。

一般的なイメージだと、油と機械にまみれた底辺の3K職種なイメージを持つか、低収入の可哀想な人たちをイメージしてしまいがちですよね。

もちろん中にはそんな自転車操業さながらの、資金繰りに四苦八苦している零細企業もありまが、今回は違う話。

町工場でのお話

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年休130日。労働時間は6時間

最近知った町工場の話で、実際にその社長さんともお話ししてきたんですが、まあスゴイ。

なにがスゴイかって言うと、その働き方。

頑張って働く必要なんてないんだよ

って平気で言っちゃいます。

工場の仕事は土日祝日は完全に休みで、もちろんお盆休みも、暮れの休みもあります。

一日の労働時間だって朝の8時から働いて、お昼休みをしたら15時には仕舞います。

出来るから頑張らない

年齢は60歳半ばくらいでしょうか?息子さんと一緒に2人で働いています。

若いころに大きな工場で数年間修行して、その後独立したと話していました。

元々、修行先の工場でも腕が立つ人だったらしく、独立した後も仕事に困る事はなかったようです。

 

できるから頑張らない

 

話の端々に出てきた言葉でした。

学校は中学校しか出ていないと聞きました。しかし、生まれ持っての手先の器用さ、そして工夫する事を実践してきたようです。

そして、この『工夫する』ができない職人は結局ダメな職人になってしまうようです。いくら手先が器用でもダメなんですね。

それと、『工夫する』を仕事だと感じてやるようでもダメなようです。

マインドセットの話です。深いです。

『工夫する』は出来ない、上手くいかない事をなんとか形にしてできるようにするための『想像力の発露』らしく、出来ない事を形にするのは本来は楽しい事のようなんですね。

簡単にいうと、数学ができる奴は楽しいが、出来ない奴には苦痛でしかない。のような話です。

実際はもっと長い話だったんですが、短くまとめました。

それ以上は頑張らない

 

頑張って働くから、仕事が嫌になったり嫌いになったりするんだよ。

頑張っても無理なら仕事を断る。

 

なんとなく理解できますが、サラリーマン暮らしのコシタツには耳が痛い言葉です。

出来そうもない事をやり続けることは苦行以外の何物でもないですよね。なんとか形にしても、それがリピートされたとしたら、もう逃げ出したくなります。

仕事を断るには勇気がいりますが、出来ない物を無理して頑張っても手間も時間取られて、他のお客さんにも迷惑かけるし、時間工賃は安くなるしでいいことが無いようです。常に人手が足りない零細企業ならではの考え方です。

食べる分だけ稼げば十分

 

食って生活していける分だけ稼げばいいんだよ

 

と簡単に言ってましたが、そんな状態にするまでには相当の苦労があったと思います。しかし、そんなことは微塵も感じさせません。

もう少し詳しく話を伺うと、ある程度の長い時間をかけてお客さんを選んできたと言ってました。

 

無理ばかり言うお客。

たまにしか仕事をくれないお客。

単価は安いけど仕事を沢山くれるお客。

難しい仕事が多いけど高単価で仕事をくれるお客。

仕事って、自分一人だけでできるものではないんですよね。町工場だったらなおさらなんです。仕事を発注してくれるお客さんがいて初めて成り立つんです。

そんな、一癖も二癖もあるお客さん達を最初は選り好みをしないで付き合って、長い年月で徐々にお付き合いの仕方を変えていって、切るところは切り、付き合い続けるところはもっと大事にしてきたといいます。

…けど、食っていけるだけの額って50万円そこらじゃないですよね?見た感じ、月に200万円くらいは稼ぎ出しそうな仕事をしていたような???

全ては自分が楽しく働くために

独立して会社を興してしまう人たちって、本当は頑張りたくないから、最終的に頑張らなくてもいいような仕組みを作っていくんでしょうね。

働く事も…たぶん仕事と感じてないんでしょう。

感覚的には仕事=ライフワークなんでしょうか?

『もう楽に仕事するんだよ』の一言がやたらと印象に残ったお話でした。

 

理想とする労働の形って、こんなところにあるのかもしれないと感じました。

コメント

  1. たいき より:

    はじめまして。
    お近くで同じ様に金属加工している者です。
    非常に共感出来る記事が多くて面白いです。
    他社の仲間と話す内容に近くて色々読ませていただきました。
    うちは5人以下です。
    だけど皆が出来る様になれば毎日定時で十分だと思ってます。
    他の記事では採用の事等も書かれているので経営者に近い方ですか?
    一度お会いしてお話し聞きたいです。

    • コシタツ より:

      たいきさん、コメントありがとうございます。
      皆が仕事ができるようになればそれが一番なんですが、なかなかそうならないのが実際の現場だったりするんですよね。
      器用不器用、やる気、意識の問題、それに給料や休日といろんな問題が絡んできますから大変です。

      僕は零細町工場のサラリーマン以上、役員未満の微妙な中間管理職です(笑)
      お会いするほどのものじゃないので、たまにブログを覗いて下さいませ。
      すみません。

      • たいき より:

        返信ありがとうございます。
        私は三郷で零細町工場経営してる者です。
        コシタツさんが書いている「親族会社」に嫌気がさして独立しました。
        この業界、ドカーン!と儲けが出る業界じゃ無いし、出来る人も少ないので中々思う様に成長出来ませんが、ちょっとづつ前に進んでいます。
        上でも書きましたが、ブログの内容が凄く核心をついていたのでコシタツさんご自身に興味を持ちました。
        ここだと書ききれないのでメルアド宛てにメール頂ければ幸いでございます。

        • コシタツ より:

          経営者は大変だと思います。頭が下がります。
          親族会社も良い面、悪い面がありますが、中にいると嫌な部分がやたらに目に付いたりするものです…
          金属加工業はホントに地味な作業の繰り返しで儲けを出していくので大変ですし、だからといって工場のキャパを超える仕事が来ても無理ゲーになってしまいます。
          出来る人を育てる、出来る人に仕立て上げるってなかなか難しい問題です。
          うちの工場でも、やっと1人使い物になりそうな感じに育ってきました。それでも、僕が手取り足取り教えて1年半くらい掛かってます。
          今までにも両手位の人が来て辞めていきました…

          ただ、品質管理の意識や勘所がまだまだなので、これから経験と共に成長していくのを期待しています。
          零細工場は産業構造の底辺だけあって本当に人材が揃いません。
          人材が足りないとそれ以上には決してならないし、景気の動向で仕事量も増減します。
          それでも、普通のサラリーマンよりはかなり好き勝手、自由に工場を回しているので放任してくれる会長に感謝です。

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